こんにちは、漫画を読み続けて早30年の漫画妻です。
今回は、コミック王国アプリで読める【満州アヘンスクワッド】をご紹介します。
あらすじ
「満州で一番軽いものは、人の命だ」時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。
以前からおもしろくて読んでいたので、記事にしてみました!
作品情報
作者:原作…門馬 司(もんま つかさ)
絵…鹿子(しかご)
出版社:講談社
ジャンル:青年コミック
話数:10巻(最新刊)
主な登場人物
日方 勇(ひがた いさむ)
主人公の日本人で、元関東軍の兵士。
前線から転属して、現在は満蒙開拓義勇軍に所属している。
体力は無いが植物や化学に詳しい。
ペストを罹った母親の薬代を調達するために阿片作りに手を出したことから激動の人生を歩むこととなる。
失った視力の代わりに鋭い嗅覚を得ている。
麗華(リーファ)
ヒロインの中国人。
中国の秘密結社・青幣首領の1人で、杜月笙の娘。
自身が根城とする青幇のアジトに阿片の取引のために尋ねて来た勇が提供した純度の高い阿片を「真阿片」と名付け、勇と手を組んで阿片の密造・販売網の形成を企図する。
『満州アヘンスクワッド』の見どころは…?(ネタバレあり)
お話は昭和初期の満州を舞台に主人公の日本人、日方 勇が戦地で負傷し、右目の視力を失ったことから、軍の食糧を作る農業義勇軍に回されるところから始まります。
そこで勇は母と、妹、弟との4人で暮らしていたのですが、ある日母がペストを患ってしまいます。
その薬を買うために薬屋に行くのですが、とても高額なため、お金のない勇は買うことができません。
薬屋には妹と弟を売れば子供の体は臓器などが薬になるので金になると言われ、怒って帰るしかありませんでした。
何かお金を稼ぐ方法は無いのか…と考えているとき、自身の敏感な嗅覚により農場の片隅でケシが栽培されていることに気づくのでした。
“満州で金を稼ぐには、子供を売るか、阿片を売るか”
大量の阿片芥子を前に、病気の母を救うため勇はアヘンの密造に手を染め始めるのでした。
満州アヘンスクワッドは歴史や戦争の話や裏社会の派閥の話なので、内容がショッキングなシーンも出てきます。
お金が無いばかりに苦しむ人の姿や、生きて行くためにに犯罪に手を染める人もいます。
ですが、そういった面ばかりではなく、勇と仲間になっていくキャラクターとの関わりの中でほのぼのしたり笑ったりと楽しんでいるシーンも出てきます。
そういった楽しい日常のシーンがあると、勇たちの年齢もあって密売に手を染めていることをふと忘れてしまう時ともあるのですが、そこはメリハリがありテンポのよいストーリー展開でそういった普通の日常が勇たちにとっては普通のものでは無いのだなと思い知らされます。
また、勇たちは多方面から狙われているため、街で見つかったり、誰かが情報を流して見つかったりして追われて戦って、逃げて…のスピード感のある展開がたくさんあります。
さらに、関東軍や中国の秘密結社である青幇、ロシアンマフィアまでも巻き込んでの騒動にハラハラドキドキが止まりません!
登場人物も個性豊かで、お話が進むにつれて勇の仲間も増えていきます。
それに伴って関わりのある登場人物も多く出てきて、軍や裏社会勢力図などの情報量も多くなってくるので、最初からじっくり読むのもいいですし、サラッと内容をさらってからまた読み返して楽しむのも面白い作品だと思います。
また、満州アヘンスクワッドは実際の歴史も元になっているので実際人物をモチーフにしたキャラクターが出てくるところも見どころです。
アヘンという禁断の薬物や、満州という歴史のタブーに踏み込む内容ゆえ、中には名前を変えてほしいですとか、見た目は似ないでほしいということもあったそうです。
歴史の教科書や授業なんかでもなかなか語られないディープな闇の歴史部分が気になる方に楽しんでいただきたい漫画ですね!
こんな人におすすめ
👉ハラハラドキドキするお話が好きな方
👉裏社会、ダークな歴史物などのお話が好きな方
評価
4.5